科学防護服 PERSONAL PROTECTION

アスベスト除去・粉じん対策

石綿(アスベスト)のリスク

石綿(アスベスト)とは、古くから織物などに利用されていた天然の繊維状鉱物です。紡織性がある、引っ張りや摩擦・摩耗に強い、耐熱性、断熱・防音性に優れている、薬品に強い、電気を通しにくい、他のものと混ざりやすいなど、多くのメリットがあり、1970年代から90年代にかけて大量に輸入され、建築物の材料として使用されてきました。 しかし、空気中に放出された石綿粉じんが消滅せず浮遊し、人が呼吸とともにそれを吸い込むことによって、石綿肺、中皮腫、肺がんといった疾病にかかる危険性があります。

石綿(アスベスト)のリスク

わが国では、建物の解体などの作業における石綿ばく露防止対策等の充実を図るため、平成17年7月1日、「石綿障害予防規則」が施行され、平成18年には石綿関連4法の改正が行われました。石綿障害予防規則も平成18年、平成21年と二度にわたる改正が行われています。

石綿肺とは

塵肺(じんぱい)のひとつ。アスベスト肺症。石綿の粉塵を吸入することによって、肺の繊維組織が増殖する肺繊維症を生じ、呼吸機能が低下し、心臓の障害、肺癌(はいがん)なども起こる病気。

中皮腫とは

臓器を包む胸膜や腹膜を覆っている中皮から発生する腫瘍のこと。悪性のものと良性のものがある。

防護服を必要とする作業

石綿除去において防護服(保護衣)・防護具を必要とする作業には、吹き付け材、耐火被覆材、断熱材、保温材などの除去作業があります。以下の表に、粉じんの侵入を防ぐ防護服(保護衣)および粉じんの付きにくい作業衣の着用が必要な作業をまとめました。

防護服(保護衣)・作業衣を必要とする除去対象製品と除去工法

●防護服(保護衣)を必要とする場合

除去対象製品 除去方法
レベル1 吹き付け材
  • ・吹付け石綿
  • ・石綿含有吹付けロックウール
  • ・石綿含有吹付けバーミキュライト
  • ・石綿含有吹付けバーライト
  • ・掻き落とし、破砕
  • ・切断、穿孔、研磨
  • ・封じ込め
  • ・囲い込み(破砕・切断、穿孔、研磨を伴うもの)
レベル2 耐火被覆材
  • ・石綿耐火被覆板
  • ・石綿含有けい酸カルシウム板2種
  • ・石綿含有耐火被覆塗り材
  • ・切断、穿孔、研磨等の作業を伴う場合
断熱材
  • ・屋根用折版石綿断熱材
  • ・切断、穿孔、研磨等の作業を伴う場合
  • ・煙突石綿断熱材
  • ・切断、穿孔、研磨等の作業を伴う場合
  • ・特殊工法
    (審査証明取得工法)
  • ・隔離作業場内の作業
保温材
  • ・石綿保温材
  • ・けいそう土保温材
  • ・バーライト保温材
  • ・けい酸カルシウム保温材
  • ・水練り保温剤
  • ・切断、穿孔、研磨等の作業を伴う場合

●防護服(保護衣)もしくは作業衣を必要とする場合

除去対象製品 除去方法
レベル1 吹き付け材
  • ・吹付け石綿
  • ・石綿含有吹付けロックウール
  • ・石綿含有吹付けバーミキュライト
  • ・石綿含有吹付けバーライト
  • ・グローブバッグ
  • ・囲い込み
    (破砕・切断・穿孔・研磨を伴わないもの)
・その他特殊工法
レベル2 耐火被覆材
  • ・石綿耐火被覆板
  • ・石綿含有けい酸カルシウム板2種
  • ・石綿含有耐火被覆塗り材
  • ・グローブバッグ
  • ・封じ込め
  • ・囲い込み(破砕・切断・穿孔・研磨を伴うもの)
  • ・囲い込み(破砕・切断・穿孔・研磨を伴わないもの)
断熱材
  • ・屋根用折版石綿断熱材
  • ・封じ込め
  • ・囲い込み(破砕・切断・穿孔・研磨を伴うもの)
  • ・囲い込み(破砕・切断・穿孔・研磨を伴わないもの)
  • ・特殊工法(審査証明取得工法)
  • ・煙突石綿断熱材
  • ・特殊工法
    (審査証明取得工法)
  • ・隔離作業場以外の作業
保温材
  • ・石綿保温材
  • ・けいそう土保温材
  • ・バーライト保温材
  • ・けい酸カルシウム保温材
  • ・水練り保温材
  • ・グローブバッグ
  • ・切断等の作業を伴わない場合:原形のままの取り外し
  • ・石綿取扱作業以外:非石綿部での切断
レベル3 成形板
  • ・石綿含有スレート
  • ・石綿含有サイディング
  • ・石綿含有岩綿吸音板
  • ・石綿含有ビニル床タイル
  • ・切断、穿孔、研磨等の作業を伴う場合
  • ・原形のままの取り外し
その他
  • ・準備作業
  • ・足場、隔離養生作業
  • ・片付け、清掃作業

※参考:建設業労働災害防止協会発行
「新版:建築物等の解体等工事における石綿粉じんへのばく露防止マニュアル」

石綿除去に求められる防護性能

石綿の除去に必要とされる防護服(保護衣)は、石綿粉じんの皮膚や頭髪への付着・侵入を防止できるものでなければなりません。

種類 性能・特長 使用上の注意
保護衣
タイプ5
浮遊固体粉じん
防護用密閉服
<JIS T8115>
  • ・素材がすべすべし、粉じんが払い落とし易いものが望ましい。
  • ・全身を覆う保護衣は石綿粉じんが侵入しにくい。
  • ・微粒子防護用密閉服(密閉型保護服)は服内部に石綿粉じんが侵入しにくい。
  • ・全面形のマスクと供用するときは、フード付きの微粒子防護用密閉服を使用することが望ましい。
  • ・保護衣は使用後、汚れを取り除いた後、専用の保管箱(袋)に保管する。
  • ・使い捨て式の保護衣の場合は、付着した石綿粉じんが飛散しないようプラスチック袋等に入れる。
  • ・使用中に破損したら、使用を中止して交換する。

デュポンのタイベック®ソフトウェアは、発じん度合いの高い石綿除去作業に力を発揮する防護服です。浮遊固体粉じん防護用密閉服のJIS規格T8115に適合しています。

防護服(保護衣)・防護具はなぜ必要?

石綿粉じんを吸入することにより、石綿肺や肺がん、中皮腫等の疾病にかかる危険性が高まるため、作業者の石綿ばく露防止対策として、作業レベルに応じた防護服や防じんマスクといった防護具等を準備しなければなりません。
また、石綿粉じんが付着したまま作業場外へ出ると、作業者本人だけでなく、本人以外の人が吸入する可能性も広がり、二次汚染の危険性が懸念されます。
それらを予防する観点から、作業者の防護服(保護衣)・防護具の着用が必要とされています。

使い捨てが推奨される理由

使い捨てでない場合、使用するたびにブラシやHEPAフィルター付真空掃除機等で汚れを除去しますが、石綿粉じんの粒子はとても細かいので、防護服(保護衣)や防護具に付着すると完全に取り除くことは困難です。
したがって、一度使用した防護服(保護衣)を再使用すると、作業者が石綿粉じんにばく露される可能性が高くなります。一方、使い捨ての場合は使用ごとに廃棄処分とし、再利用はしないため、二次汚染防止を含む保守管理の面で優れています。

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